【寄稿/第13回】菌活・腸活の定番となった乳酸菌、その実態は?

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

 ここ数年において、「不老長寿の要」として認知されたのが「腸内環境」である。そして、腸を健全に保ち、健康を増進するための菌活や腸活が、日々多数のメディアでクローズアップされている。

 しかし、菌活や腸活の具体的な方法として、ヨーグルト、乳酸菌サプリメント、食物繊維の食事法など数ある中から、はたして何が最も効き目があるのだろうか。選ぶのに迷っている方が多いのが現状だと思われる。

 直近の事例としては、大手乳酸菌飲料会社による機能性表示食品の商品が大ブレイクして、今や、スーパーに行ってもその商品が品切れになってしまっているようである。

 これは、テレビCMやインターネットなどの宣伝効果もさることながら、「機能性表示食品制度」により、どのような効果があるのかを商品にハッキリと表示されているので、消費者へ明確なインパクトを与えられることが影響していると、私は判断している。

 しかし、最近、あまりにも「乳酸菌は体にいい」は常套句となりすぎているように感じている。

 その機能性についてよく理解しないまま、「体にいい」という口コミや宣伝文句だけを見て、消費者が必死になってその商品購入に走るという、想定外の過剰反応が起こっているように思えてならない。

 事実、乳酸菌は菌活・腸活の定番となっているものの、その半面、乳酸菌そのものを摂取するだけでは「手ごたえがない、体感が得られない」という声に対し、応えきれていないのではないか、と思うのは私だけだろうか。

 今ブームに乗って話題となっている整腸法の中には、首をかしげざるを得ないものがいくつもある。すでに定番となっている方法も、人々に過大な期待を抱かせているものが少なくないのでは、と思う。

 今後は、食品分野の研究が進むにつれて、菌活・腸活に関しても新しいステージに移行していくのではないかと感じている。

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