(株)光英科学研究所 代表取締役会長
村田 公英 氏
長く健康で過ごすための「方程式」
若い頃から続く私の趣味の一つが、テレビでの野球観戦。野球好きの方ならご存じの事と思うが、野球には「勝利の方程式」というものが存在する。
「勝利の方程式」とは、リードしている試合において、そのリードを最後まで守りきるために取られるチームの定石となっている投手の継投策、つまりリリーフ投手の継投パターンを指す。この方程式がチームを勝利へと導く。
では、私たちの人生の「勝利」とは何か、を考えると、それはやはり「長く健康で過ごすこと」であると思う。そして、そのための方程式となるのが「乳酸菌生産物質」なのではないか、と思っている。
また、乳酸菌生産物質が誕生するまでの歩みも、まるで方程式に導かれているように感じている。
研究はこうして始まった
乳酸菌生産物質の研究の始まりは、78年前にさかのぼる。
浄土真宗西本願寺第22代法主で、大正天皇の義兄にもあたる大谷光瑞師は、当時、中国の大連にあった本願寺関東別院内の「大谷光瑞農芸化学研究所」の所長として、仏典にある「香」や「薬物」の栽培の研究をしていた。
特に香料学・植物学・薬物学に関しては、非常に専門性の高い知識を持っていたと伝えられている。その光瑞師が、72年にわたる生涯で最後に行きついた学問が「細菌学」だった。
その頃、当社先代の正垣一義氏は、乳酸菌生菌を用いた「8種類の乳酸菌による共棲培養技術」について研究を深めていた。
細菌学研究の知見のために光瑞師を表敬訪問した正垣氏は、自らの研究開発について説明した。
すると光瑞師は、その成果と実績を高く評価した上で、「生きた菌ではなく、これからはその代謝物が重要である」という考えを教授し、正垣氏を大谷光瑞農芸化学研究所の次長に任命した。
これが乳酸菌生産物質の研究の始まりである。
仏典「大般涅槃経」において、発酵食品には「乳→酪→生酥→熟酥→醍醐」の5段階の味があり、「醍醐」は最上のものという内容がある。
これは「五味相生の譬」とされていて、釈迦が最高にして最後の経文である涅槃経をわかりやすくするため、順序だてて教えを段階的に説いたことを表している。
そして、このように例えとして経典に記されているということは、この時代、醍醐(マンダ)なる飲料が一般的な食生活のなかで存在し、健康のための物として重宝されていたのでは、と考えられる。
乳酸菌生産物質の「連立方程式」へ
こうして大谷光瑞師に導かれるかたちで、正垣氏は研究を重ねて乳酸菌生産物質を発明した。
乳酸菌生産物質誕生の方程式の根幹で、正垣氏がそれまでに研究開発をした8種類の乳酸菌の共棲培養技術が役立ったことは、言うまでもない。
そして、その後、16種の乳酸菌の共棲培養により得られた発酵代謝物「スティルヤング」が完成した。
昭和22年には大谷光瑞師の命により、東京銀座に設立された寿光製薬から発売され、全国的に普及販促活動が始まった。
このように「醍醐」から始まった乳酸菌生産物質の方程式は、当社・光英科学研究所に受け継がれ、現在の16種35株の乳酸菌、ビフィズス菌の乳酸菌生産物質の「連立方程式」へと成長を遂げている。
健康を維持する鍵は、やはり私たちの腸内に棲む善玉菌が代謝する物質にあると思う。
野球の例えでも話したが、「長く健康で過ごすこと」のために、乳酸菌生産物質を日々の生活に取り入れる方程式が大切であると、私は考えている。
明るい未来を拓く一つの方法が、長い歴史から健康の方程式を編み出した乳酸菌生産物質なのではないだろうか。
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