イソマルトオリゴ糖を分解する細菌酵素の立体構造を解明~静岡大

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 静岡大学グリーン科学技術研究所生物分子機能研究コア/農学部・宮崎剛亜准教授の研究グループは5月10日、プレバイオティクスのイソマルトオリゴ糖を分解する細菌由来酵素の分子構造を解析し、イソマルトオリゴ糖のα-1,6結合を特異的に認識してグルコースに分解する仕組みを明らかにしたと発表した。

 過去に行った研究で、乳酸菌が菌体外多糖(EPS)として産生する多分岐デキストランを対象とした土壌細菌の多糖資化機構を解明。その中から見出したイソマルトオリゴ糖分解酵素(FjGH97A)は、腸内細菌「Bacteroides thetaiotaomicron」が有する澱粉資化機構に関わるマルトオリゴ糖分解酵素(SusB)とアミノ酸配列相同性が約70%と高いにもかかわらず、SusBが好むマルトオリゴ糖のα-1,4結合に対する活性は低く、イソマルトオリゴ糖のα-1,6結合に高い活性があるという。

 今回の研究では、FjGH97Aの立体構造と基質特異性の関連を解明するため、X線結晶構造解析によって基質の認識機構を調べた。その結果、FjGH97AとSusBでは基質結合部位を構成するアミノ酸残基が2つだけ異なっていることが判明した。

 そのうちの1つをSusB型に置換することで、基質特異性がスイッチし、SusBのようにα-1,4結合に対する活性の方がより高くなることがわかったと報告している。

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