コーセー、真皮線維芽細胞の老化を調節する遺伝子を特定

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 (株)コーセーは17日、東京大学医科学研究所・老化再生生物学分野の難波大輔准教授(研究当時は東京医科歯科大学所属)との共同研究により、真皮線維芽細胞が老化方向に行くかどうかの「細胞運命(推定分化経路)」を調節する遺伝子の1つとして、「EFEMP2」が機能していることを突き止めたと発表した。

 研究成果は9月に、学術誌「Experimental Dermatology」にオンライン掲載された。

 近年、加齢に伴って老化細胞が体内に蓄積すると、その周囲の細胞や組織も老化させるという知見が注目されている。真皮に存在し、コラーゲンやエラスチンを産み出す線維芽細胞についても、老化細胞の蓄積によって周囲の細胞も老化させ、その機能を低下させることは重要な研究課題の1つ。

 この連鎖的な老化細胞の蓄積を防ぐためには、加齢によって老化細胞に変化するプロセスを分析し、老化細胞の発生を減らす手段を見つけることが有効と考えられる。一方、加齢による細胞変化を評価することは容易ではなく、異なる年齢の人の細胞を比較しても、遺伝的な違いをはじめ、紫外線曝露の度合いや生活習慣による個人差が大きく、加齢による影響と切り分けることは困難と言われている。

 同社では、そうした影響を最小限に抑えるため、同一人物から35年以上にわたって採取した真皮線維芽細胞の系列を用いて、加齢による老化細胞の過剰蓄積に対する新たな知見の探索を試みたとしている。

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