業界紙の報道によると、シリカ(ケイ素)入り健康食品などの市場規模が2022年に300億円を突破したという。成長著しい分野のようだ。
シリカ入り健康食品については、国民生活センターが2022年12月に商品テストの結果を発表。それによると、シリカを摂取できるとうたった飲料水や健康食品では、悪質な商法がはじこっていることがわかった。
IO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)には、シリカを含む飲料水や健康食品に関する相談が、2017年度からの過去5年半で429件も寄せられている。
「子どものアトピーに効くとの体験談を信じてケイ素水をネット通販で購入したが、効果がない」、「ケイ素のパウダーを飲み続けているが、何の効果もない。このまま飲み続けていても大丈夫なのか」といった相談もあるという。
そもそも、シリカ(ケイ素)は市販の飲料水や水道水をはじめ、さまざまな食品にも含まれている元素の1つ。日頃の食事からの摂取で不足することはないと考えられている。余計な量を摂取しても、健康への効果があるかどうかもはっきりしない。
そうした現状を考えると、「アトピーに効く」などとうたってシリカ入りの飲料水や健康食品を販売する行為は、かなり悪質と言える。
さらに、同センターでは、相談件数が増えている背景として、「定期購入トラブルの増加による影響が大きい。悪質な定期購入商法の商材としても利用されている」と指摘する。
冒頭で紹介したように、シリカ市場は好調で、その規模が拡大しているというが、悪質なビジネスの温床となっていることも見逃してはならない。
(木村 祐作)
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