スルフォラファンが糖尿病増悪因子を制御…東北大

「食」の機能性

 東北大学大学院薬学研究科の研究グループはこのほど、マウスを使った実験により、ブロッコリースプラウトなどに含有されるスルフォラファンが、糖尿病を悪化させるセレノプロテインPの血中濃度を低下させることを突き止めたと発表した。研究成果は、生物学分野の専門誌「Communications Biology」にオンライン掲載された。

 必須微量元素のセレンの輸送タンパク質であるセレノプロテインPは、通常時は体にとって必要なタンパク質であるが、糖尿病患者では体内で増加し、病態を悪化させることが分かっている。そのため、患者の健康を保つためには、セレノプロテインPを減らしすぎず、また増やしすぎず、バランスを取ることが重要となる。

 今回の研究では、培養肝細胞とマウス投与モデルを用いて、ブロッコリースプラウトに豊富に含まれる食品成分であるスルフォラファンが、セレノプロテインPの生成を抑制することを突き止めた。

 今後は新薬の開発などに寄与することで、糖尿病をはじめとした生活習慣病を予防・治療する新たな戦略の開発が期待されるという。

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