タウリンが炎症に伴う免疫細胞のダメージ軽減

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 大正製薬は12月10日、タウリンが免疫細胞でウイルス感染に関連する炎症性サイトカインの遺伝子発現の増加を抑制し、細胞内エネルギー(ATP)量の低下を軽減することを突き止めたと発表した。

 免疫細胞のマクロファージは、ウイルス感染時に炎症性サイトカインを分泌し、ウイルス除去を促す一方、炎症性サイトカインは細胞内ATP量の低下と関係している。特に過剰な炎症性サイトカインの分泌はサイトカインストームと呼ばれ、強い炎症を引き起こすことが知られている。

 今回の研究では、ウイルスを認識するToll様受容体7(TLR7)を活性化させることで、ウイルス感染に伴う炎症を模倣し、マクロファージの炎症性サイトカインの遺伝子発現と細胞内ATP量に対するタウリンの作用を解析した。

 ウイルス感染に関連する炎症性サイトカインのうち、IL1β、IL6、TNFαに着目し、遺伝子発現量にタウリンが与える効果を評価した結果、TLR7活性化によるIL1β、IL6、TNFαの遺伝子発現量の増加はタウリンによって抑制されたという。

 また、ウイルス感染時の重症化に関連する細胞内ATP量にタウリンが与える影響を評価したところ、TLR7活性化による細胞内ATP量の低下はタウリンによって軽減されたと報告している。

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