(株)ファンケルは2月21日、順天堂大学大学院医学研究科・環境医学研究所に設置した共同研究講座「抗加齢皮膚医学研究講座」で、「ヒトiPS細胞由来感覚神経を用いた研究」により、化学物質や生体物質などによって生じるヒリヒリやかゆみなどの不快な皮膚の感覚を試験管内で再現する技術の開発に成功したと発表した。
今回、さまざまな物質の刺激に対し、ヒトiPS細胞由来感覚神経で不快な感覚の発生の評価方法を研究した。
ヒリヒリやチクチクといった痛みの刺激は、トウガラシの辛み成分カプサイシンの受容体「TRPV1」、ワサビの辛み成分アリルイソチオシアネート(AITC)の受容体「TRPA1」が関与していると考えられている。
そこで、感覚神経をカプサイシンとAITCで刺激したところ、細胞はそれぞれの痛みによる刺激に反応し、カルシウム濃度が変化することを確認した。また、ムズムズする「かゆみの刺激」について、関与が考えられるヒスタミンとBAM8-22で感覚神経を刺激したところ、どちらの刺激に対しても反応することを確認した。
これらの結果から、ヒトiPS細胞由来の感覚神経を用いて、今まで客観的に評価できなかったヒリヒリやチクチクといった痛みの評価や、ヒスタミンによるかゆみとヒスタミンを介さない難治性のかゆみの2つの評価が可能であることがわかったという。
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