(国研)国立がん研究センターが9月16日発表した大規模コホート研究の結果から、ビタミンB12の摂取量が多い人ほど、食道がんに罹患するリスクが上昇することがわかった。
全国の9地域に在住(1995年と98年)していた45~74歳の男女約8万7,000人を2015年まで追跡。その期間中に427人が食道がんを発症した。ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸と、アミノ酸のメチオニンについて、それぞれの摂取量と食道がんの発症リスクとの関連を分析した。
分析の結果、ビタミンB12の摂取量が多いと、食道がんのリスクが上昇することがわかった。飲酒の習慣がない人の場合、ビタミンB12とメチオニンの摂取量が多いと食道がんリスクが高まることが認められた。
研究グループは、ビタミンB12もメチオニンも飲酒の習慣がない人ではアルコールによる吸収不良が起こらず、このため、食道がんの罹患リスクが高まると指摘。ビタミンB12を多く摂取することでDNAの合成やメチル化に影響し、発がんにつながる可能性があると考察している。
(木村 祐作)
コメント