ブルーライトによる筋収縮抑制のメカニズムを解明

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 (株)ポーラは10月17日、ブルーライトを過剰に浴びることで、筋細胞内で神経伝達物質のアセチルコリンを分解する酵素「アセチルコリンエステラーゼ」の産生が促進されることを突き止めたと発表した。

 アセチルコリンは、運動神経細胞から筋肉を構成する筋細胞へ神経信号を伝える神経伝達物質。脳からの指示で放出されたアセチルコリンが、筋細胞の受容体に結合することで受容体が開き、筋肉が収縮する。

 アセチルコリンが信号を伝えた後は、筋細胞によって分泌されたアセチルコリンエステラーゼの作用で分解される。神経伝達物質の働きに応じて筋収縮が正しく起こることで、筋肉をスムーズに動かすことができる。

 ブルーライトはスマートフォンやパソコン、太陽光から日常的に浴びる光。可視光線の中でも短波長であることから、目に対する直接的なダメージが懸念される。

 今回、骨格筋の細胞に対してブルーライト(425 nm~495nm)を照射し、アセチルコリンエステラーゼを定量する試験を行い、非照射と比較して細胞内アセチルコリンエステラーゼの産生が約4倍促進されることを確認した。

 このことから、正常な状態では筋細胞表面で機能していたアセチルコリンが、増加したアセチルコリンエステラーゼにより、アセチルコリンが神経信号を伝える前に分解され、筋収縮が起こりにくくなる可能性が考えられるとしている。

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