(株)ヤクルト本社の関連会社「上海ヤクルト」(孫会社に相当)が新型コロナウイルス感染症に効果がある旨を広告し、現地で罰金を科せられた事件の詳細が、ヤクルト本社への取材でわかった。
同社の説明によると、違法性が判断された広告は、上海ヤクルトの主に販促業務の担当者が作成したチラシだった。本来、このチラシは社内で使用するためのもので、外部へは出さないという。チラシには「善玉菌が新型コロナウイルスの予防や治療に重要な役割を果たす旨が表示されていた」(ヤクルト本社広報室)としている。
チラシが上海市内にある某スーパー店頭で、消費者向けの㏚資材として掲示され、取り締まり当局の目に留まり事件となった。しかし、スーパー側がチラシを入手した経緯などは把握できていないと説明している。
上海市は、ヤクルト製品に含まれる乳酸菌が新型コロナウイルスに効果があると消費者を誤認させると判断。これに加えて、他社の営業を妨害する点も問題視した。チラシは違法な広告に当たることから、上海ヤクルトに日本円で約765万円の罰金を科した。
問題となったチラシについては、「300枚ほど社内で配布されたが、すべてを回収中」(同)と説明。再発防止の取り組みとして、上海ヤクルトでは広告・表示の社内の検閲体制を強化する考えという。
(木村 祐作)
コメント