国立がん研究センターが公表したコホート研究結果から、40~59歳と60歳以上の年齢層では、脳梗塞発症リスクは肥満度が高いほど上昇することがわかった。
調査は1990年と93年に全国9地域に在住していた40~69歳の約9万人の男女を対象に、2011年まで追跡して実施。肥満度(BMI)と脳卒中の発症リスク、その病型である脳梗塞、脳内出血の発症リスクとの関連を詳細に分析した。約19年にわたる追跡期間中に、8万8,754人の対象者のうち、4,690人の脳卒中発症(2,781人が脳梗塞、1,358人が脳内出血)が確認された。
調査の結果、60歳以上の脳梗塞の発症率は、BMIが30以上のグループで最も高く、BMIが18.5未満のグループで最も低かった。しかし、その値は40~59歳の集団で脳梗塞の発症率が最も高かったBMIが30以上のグループよりも高率だった。
脳内出血についても、BMIによらず、60歳以上の発症率が40~59歳の発症率よりも高い傾向にあった。脳梗塞発症リスクは、40~59歳と60歳以上のどちらも、BMIが高いグループほど高いことがわかった。
一方、脳内出血の発症リスクについては、40~59歳と60歳以上のどちらも、肥満度の高い集団だけでなく、やせ(BMIが18.5未満)でもリスクの上昇傾向が認められた。
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