国立がん研究センターの多目的コホート研究によって、男性の場合、乳製品の摂取量が多いと死亡リスクが低い傾向にあることがわかった。
研究グループは、1995年と98年に全国の11地域に在住していた45~74歳の人のうち、がん・脳血管疾患・心疾患の既往のない男女9万3,310人を対象に、2018年まで追跡して、乳製品の摂取量と死亡との関連を調べた。食物摂取頻度調査票の回答結果をもとに、牛乳、チーズ、醗酵乳製品から乳製品の摂取量を推定した。
調査の結果、男性の場合、乳製品の摂取量が多いグループで、全死亡と循環器疾患の死亡リスクが低い傾向が認められた。一方、乳製品の摂取量が最も多いグループと2番目に多いグループの全死亡リスクは、それぞれ0.89倍と0.87倍と同程度に低く、また循環器死亡では0.78倍と0.77倍と同程度に低い、という結果が得られた。
女性の場合、乳製品の摂取量による死亡リスク低下の関連は見られなかった。女性では、男性よりも喫煙者や過度の飲酒者が少ないなど、健康的な生活習慣の人が多いことによって、乳製品の摂取と死亡リスクとの関連が見えにくかった可能性があると指摘している。
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