明治ホールディングスと明治はこのほど、大阪大学微生物病研究所の山崎晶教授、京都大学大学院農学研究科の岸野重信准教授らとの共同研究により、乳酸菌による樹状細胞株からの抗炎症性物質インターロイキン-10(IL-10)の産生誘導に関するメカニズムを解明したと発表した。
研究グループは、株化樹状細胞を乳酸菌株や受容体リガンドで刺激し、IL-10産生への影響を検討。また、抗体を用いた阻害試験や細胞内への取り込み阻害試験によって、IL-10産生へ及ぼす影響を調べた。
その結果、TLR2阻害抗体によってIL-10産生は減少したが、TLR2リガンドのみではIL-10は産生されなかった。このことから、TLR2を介した刺激はIL-10産生に必要だが、十分ではないと考えられたという。
Mincleの遺伝子発現を抑制するとIL-10産生量が減少することから、Mincleが乳酸菌株の認識に関与し、TLR2とMincleの共刺激はIL-10産生を促進することが明らかになったとしている。
また、Mincle阻害抗体を用いて細胞表面上に存在するMincleの働きを抑えたが、IL-10産生量に変化はなかった。その一方で、乳酸菌株の樹状細胞内への取り込みを抑制するとIL-10産生が減少することから、Mincleは細胞内に取り込まれた乳酸菌株を認識し、IL-10産生を誘導する可能性が考えられたと報告している。
コメント