乾燥させたビール酵母に腸内環境改善作用

「食」の機能性

 アサヒグループ食品はこのほど、乾燥させたビール酵母やパン酵母由来の酵母細胞壁に、腸内環境改善作用があることを確認したと発表した。

 乾燥させたビール酵母、パン酵母由来の酵母細胞壁を用いた2種類の試験を実施し、メタジェンが保有するヒト糞便を用いたin vitroハイスループット評価系で解析した。6人の健常者から採取した便を培地に混合し、評価サンプルを添加して16時間の嫌気培養を実施。培養液からDNAと代謝物質を抽出し、腸内フローラと短鎖脂肪酸を解析した。

 乾燥させたビール酵母の添加については、培養液中に含まれる短鎖脂肪酸の濃度が、未添加時と比べて有意に高い値を示した。また、培養後の腸内フローラを解析したところ、細菌の平均相対存在比に有意な変化は見られなかった。これらの結果から、乾燥させたビール酵母は、短鎖脂肪酸の産生増強に寄与することが示唆されたという。

 パン酵母由来の酵母細胞壁については、培養液中に含まれる短鎖脂肪酸の濃度が、未添加時と比較して有意に高い値を示した。また、培養後の腸内フローラを解析したところ、酪酸を産生する菌のFaecalibacterium属とButyricicoccus属の相対存在比で増加傾向が認めらた。この結果から、パン酵母由来の酵母細胞壁は短鎖脂肪酸の産生を増強することがわかったとしている。

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