花王のヒューマンヘルスケア研究所は8月29日、歯肉に軽度な炎症が見られる程度の歯周病の初期段階(軽度歯周病)ですでに、歯周ポケット内の口腔フローラが健康な状態の人とは異なることを確認したと発表した。
また、健常な人で、高齢者の方が若年者よりもナイセリア属などのう蝕・歯周病予防に寄与する「硝酸還元菌」が多いことを見いだした。
口腔内の菌を減らす従来のオーラルケアに加え、硝酸還元菌の比率を高めることで健康な口腔フローラの形成を促すという視点の重要性が示唆されたという。
20~79歳の163人の男女を対象に、歯科臨床指標の測定と歯肉縁下歯垢の採取を行い、口腔フローラ解析を実施。健常群と軽度歯周病群の口腔フローラをβ多様性解析により可視化した。その結果、健常群と 群は異なる口腔フローラの特徴を持つことがわかった。
さらに、健常群と軽度歯周病群の口腔フローラ組成の違いをLEfSe解析を用いて調べたところ、ナイセリア属やアクチノマイセス属、ロシア属といった硝酸還元菌が、軽度歯周病群に比べて健常群に顕著に多いことを確認。軽度歯周病でもすでに、健常な人とは異なる口腔フローラが形成されていることがわかったと報告している。
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