健康食品は必要性の低い人で利用される傾向に

食品/飲料

 東邦大学医学部の朝倉敬子教授らの研究グループは10月3日、2012年に収集された日本人の食事摂取量データを分析し、いわゆる健康食品(栄養強化食品、サプリメント)が、栄養素の摂取量にどのくらい寄与しているのかを明らかにしたと発表した。

 研究グループは、23都道府県の福祉施設に勤務する成人392人(20~69歳)から収集された食事摂取量データの2次解析を実施。参加者の食事記録に記載された商品名から、栄養強化食品とサプリメントに該当する食品を特定し、4日間の食事記録日のうち、少なくとも1回以上それらを利用した参加者を「栄養強化食品および/またはサプリメントの利用者」とした。次に、商品名をもとに、その栄養素含有量を調べ、栄養強化食品とサプリメントからの栄養素摂取量を推定した。

 解析の結果、「栄養強化食品および/またはサプリメントの利用者」は、それらを含まない通常の食事で非利用者と比べてビタミンやミネラルの摂取量が多く、また、食事摂取基準で示されている適切な摂取量を満たしている者の割合も高かった。

 「栄養強化食品および/またはサプリメントの利用者」では、それらが一部の栄養素に関して適切な摂取に寄与していた。一方、「栄養強化食品および/またはサプリメントの利用者」の2%では、ビタミンB6の過剰摂取の恐れが認められた。

 栄養強化食品やサプリメントの利用者は、通常の食事でも非利用者よりもビタミンやミネラルの摂取量が多い傾向にあることから、栄養強化食品やサプリメントは利用する必要性の低い人が使用している可能性があるとしている。

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