ロンザもハードカプセルを自主回収 供給不足が浮上

健康食品/サプリメント

 健康食品用カプセルを製造するロンザ(株)(神奈川県相模原市)は7月29日、食品衛生法で認められていない食品添加物を使用して製造していたことが判明し、健康食品用ハードゼラチンカプセルを自主回収すると発表した。6月下旬から自主回収を始めたクオリカプス(株)に加え、主要メーカーのロンザも回収に乗り出したことから、ハードカプセルの供給不足が顕著となってきた。

 社内調査で、今年6月末まで健康食品用ハードゼラチンカプセルの製造に使用していた離型剤に、食品添加物の「流動パラフィン」が含まれていたことがわかったという。食品衛生法によると、流動パラフィンの食品用カプセルへの使用は認められていない。

 同社は相模原保健所に相談し、内容物を充填していない空カプセルの自主回収を決定。それに先駆けて、問題のない離型剤を用いた製造の開始と、6月末以前に製造したカプセルの出荷停止に着手した。取材に対し、同社は「(クオリカプスの公表後の)6月23日にグローバルを巻き込んで調査をスタートした。新たな離型剤による製造は6月30日から開始した」(総務課)と話している。

 主要メーカーが相次いで自主回収を開始したため、健康食品のOEM業界ではハードカプセルの不足が問題に浮上。あるOEM企業は、「今後カプセルの供給が追い付かず、製造ができない可能性も」あると指摘する。

 対応を検討中の厚生労働省では、「具体的に言える状況になく、調査中の段階」(医薬・生活衛生局食品監視安全課)としている。

(木村 祐作)

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