唇のあれやすさ、細胞間脂質の密度の低さも要因

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 コーセーは7月23日、唇のあれやすさの一因として、バリア機能を担う細胞間脂質の密度の低さが関係していることを見いだしたと発表した。

 研究では、唇のあれやすさの解明を目指して、バリア機能として重要な角層の細胞間脂質の構造に着目。角層の細胞間脂質はセラミドや遊離脂肪酸といった成分で満たされた充填構造をしており、その密度が十分でないとバリア機能が低下する。そこで、この細胞間脂質の充填構造の密度を唇と肌で比較検討した。

 細かな充填構造を解析する電子線回折という手法と、赤外分光法を用いた充填密度の測定による検証を重ねた結果、唇は肌よりも細胞間脂質の密度が低いことがわかった。そのため、唇は肌よりもバリア機能が低く、内部の水分が蒸散しやすい、外部から刺激物が侵入しやすい、といった唇のあれやすさに繋がる知見を得たとしている。

 さらに、唇のあれ状態と細胞間脂質の充填構造の関連を評価するため、目視による唇あれと水分量の低さが相関している唇を対象に、電子線回折による充填構造の解析を実施。その結果、水分量が少なくあれた唇では充填構造の密度が低く、バリア機能も低い流動相という構造が多く、バリア機能が高い結晶構造が少ないことを突き止めた。

 唇あれを改善するためには、細胞間脂質の充填構造の密度を高めることが重要となることがわかったと報告している。 

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