塩蔵魚・干物の摂取量が多い人で胃がんのリスク上昇

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 国立がん研究センターがこのほど発表したコホート研究の結果によると、塩蔵魚・干物の摂取量が多いと胃がんのリスクが高くなり、女性の場合は魚介類由来n-3PUFAの摂取量が多いと胃がんのリスクが低下する傾向が認められた。

 今回のコホート研究は、1995年と98年に全国10地域に在住していた45~74歳の男女のうち、男性4万2,328人、女性4万8,176人を対象に約15年間追跡して実施。魚介類、n-3系多価不飽和脂肪酸摂取と胃がん発症との関連を調べた。

 魚介類全体、魚のみ、塩蔵魚・干物、n-3系多価不飽和脂肪酸を多く含む魚のそれぞれについて、最も摂取量の少ないグループを基準として比較。その結果、塩蔵魚・干物の摂取量が多い人では、男女ともに胃がんになるリスクが上昇した。女性の場合、魚介類由来n-3PUFA摂取が多いグループでは、胃がんの発症リスクが低下する傾向にあった。

 しかし、これらの傾向は、ピロリ菌陽性者や萎縮性胃炎がある対象者で解析すると認めれなかった。このことから、ピロリ菌の感染は、日本人の胃がんの高リスク因子であると考察された。

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