改正特商法が国会で成立、「定期購入契約」に関する規制強化

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悪質な定期購入契約に直罰導入

 悪質な定期購入商法による消費者被害の防止策を盛り込んだ改正特定商取引法・預託法が6月9日、参院本会議で可決、成立した。

 改正法は、「定期購入ではない」と消費者を誤認させる表示に対して「直罰」規定を盛り込んだ。現行は特商法に基づく行政処分で対応してきたが、これ以外にも刑事罰を直接的に科すことができるようにする。

 不適切な広告・表示によって定期購入ではないと誤認し、商品を注文した場合に、契約を取り消せる仕組みも導入する。

 これに加えて、消費者が契約解除を求めた際に、事業者が解約を妨害する行為を禁止する。たとえば「いつでも取り消せる」と表示しながら、消費者が契約解除を求めると、「解約の申請期間外」などと事実でないことを告げて妨害する事例が報告されているが、改正法ではそうしたケースに対応できるようにする。

 また、適格消費者団体の活動範囲を拡大する。適格消費者団体が行う差止請求の対象に、定期購入で誤認させる表示や契約解除の妨害行為を追加した。

 改正特商法は、「送り付け商法」対策も盛り込んだ。消費者宅に商品を送り付けて代金の支払いを請求するという被害が多発したことに対応する。

 現行ルールでは、商品を送り付けられた消費者は当該商品を14日間保管しなければならず、その間は勝手に処分することができない。改正法は、事業者が商品の返還を請求できない規定を盛り込むとともに、商品が送り付けられたらすぐに処分できるとしている。

クーリング・オフ通知方法に「電子メール」追加

 クーリング・オフの通知方法についても改正する。消費者がクーリング・オフを行う場合、従来の「書面」による通知だけでなく、「電子メール」による通知も可能とする。

 事業者に交付を義務づけている契約書面についても、「電子メール」による送付を可能とする。

(木村 祐作)

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