母乳に含まれるオリゴ糖 子豚の健全な腸内細菌叢の形成に貢献か

「食」の機能性

 東北大学大学院農学研究科の北澤春樹教授、西山啓太准教授の研究グループは6月2日、豚の母乳に豊富に含まれるシアル酸修飾オリゴ糖(シアリルラクトース)が、乳酸菌の優先的な腸内定着に寄与することを見いだしたと発表した。

 子豚の腸内細菌叢の継時的な変化を解析した結果、哺育期には乳酸菌(Ligilactobacillus salivarius)が優勢であることが判明。

 L. salivariusは母乳中のシアル酸を代謝し、その過程で作られた酢酸は、病原性大腸菌の増殖を抑制したという。

 一方、シアル酸をほとんど含まない代用乳で育てた子豚の場合、腸内細菌の多様性が乏しく、下痢症状が認められた。

 今回の研究結果は、母乳中のシアリルラクトースが子豚の腸内環境の形成に重要な役割を果たすことを示唆し、代用乳の改良による家畜の健全育成への応用につながるとしている。

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