消費者庁、トクホ制度見直しへ 来年度に実態把握調査など実施の方針

「食」の機能性

検討会設置などは23年度以降?

 消費者庁は2022年度中に、特定保健用食品(トクホ)制度の全般的な見直しに向けて、トクホに関する実態把握調査などを行う方針を固めた。

 「特定保健用食品制度(疾病リスク低減表示)に関する検討会」が今年3月に行った取りまとめで、「今後必要な情報を収集しつつ、トクホ制度全般について検討されることを期待する」と提言したことを受けた措置。

 検討作業で使用する基礎データを整備するため、実態把握調査や情報収集、科学的知見の整理などを予定している。

 検討会の設置など、本格的な検討作業は23年度以降になると予想される。

ヘルスケア分野の表示監視を強化

 健康食品などの表示の取り締まり強化については、来年度に「ヘルスケア性能・効果検証体制」の拡充を予定している。恒常的に対応できる専門家組織を整備する方針だ。

 消費者庁では景表法違反事件が起こると、その都度、事業者から提出された表示の根拠資料の検証を専門家に依頼している(セカンドオピニオン事業)。しかし、違法表示は増加傾向にあるため、恒常的に対応できる体制を整えて、迅速に対応できるようにする考えだ。

 同時に、ヘルスケア分野の表示の監視強化に向けて、来年度に担当官2人の増員を要求している。これは、新型コロナウイルス感染拡大により、マスク・除菌グッズ・健康食品などの違法表示が目立つようになったことに対応するためだ。

 「ヘルスケア分野の専門的知識をもつ担当官が必要」(表示対策課)としており、要求が通れば、これまでよりもスピーディーな対応を目指す。

(木村 祐作)

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