消費者庁の検討会、加工食品の「無添加・不使用」表示を議論

食品/飲料

 食品添加物の「不使用」「無添加」表示のあり方を検討する消費者庁の「第2回食品添加物の不使用表示に関するガイドライン検討会」が5月31日に開催され、消費者団体や業界団体などからヒアリングを行った。

 消費者サイドの間で主張が分かれた。パルシステム生活協同組合連合会の髙橋宏通氏は、「安全であると言われている添加物であっても、後から問題が発覚するケースが多々ある」と指摘。添加物に不安を感じている消費者へ配慮し、「添加物を使用しているかどうか、なぜ使用しているかも含めて開示するべき」と述べた。

一方、「食のコミュニケーション円卓会議」の市川まりこ氏は、「無添加」表示の食品を購入する消費者の間で「安全で健康に良さそうなため」などの誤認があることを問題視した。「『不使用』『無添加』の表示がある限り、消費者の誤認はなくならない」と述べ、広告も含めて全面的に禁止する必要があると主張した。

 食品業界の意見にも温度差が見られた。日本香料工業会の大木嘉子氏は「香料不使用」「香料無添加」の表示について「香料を使わないことが優れているという印象を与える」とし、これらの表示の禁止を求めた。

 全国清涼飲料連合会の高橋修一氏は、「消費者が『不使用』に対して安心感を持っていることから、添加物を使用しなくても済む研究を(飲料業界が)進めており、一律に禁止するのは看過できない」と話した。

(木村 祐作)

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