特別用途食品制度、許可基準型病者用食品に「経口補水液」を位置づけ

「食」の機能性

 消費者庁は1月20日、「特別用途食品の許可等に関する委員会」を開催し、特別用途食品制度の許可基準型病者用食品に、脱水状態を改善できる「経口補水液」を新設する案を提示し、了承された。パブリックコメント募集、通知改正を経て、「2023年度の早い段階でスタート」(食品表示企画課保健表示室)させる計画だ。

 現在は、同制度上で「経口補水液」の規格基準がなく、個別評価型によって許可している。その一方で、無許可の「経口補水液」と表示した製品も出回っていて、市場に許可製品と無許可製品が混在している状況が続いていた。

 無許可製品は使用目的が明確でなく、脱水状態でない人が大量に摂取する恐れがある。その場合、ナトリウムの過剰摂取につながる。さらに、世界保健機関(WHO)のガイドラインに準拠していない製品については、脱水状態に対応できない可能性もある。

 消費者庁では、そうした状況の改善を目的に、許可基準型病者用食品に「経口補水液」を新設する方針だ。これにより、許可を受けずに「経口補水液」と表示すると、健康増進法や景品表示法に違反することを明確化する。

 この日、消費者庁が提示した許可基準型「経口補水液」の規格基準(案)は、ナトリウムが100mlあたり92~138mg、カリウムが59~98mg、塩素が106~230mg、ブドウ糖が1.35~2.50gなどとなっている。

 商品パッケージには、「感染性胃腸炎による下痢・嘔吐等の脱水状態に適する」と表示するが、疾患名の記載は認めない。「熱中症」「脱水症」などの疾患名を表示する場合は、個別許可型として申請する。

 無許可製品の販売企業は、容器包装の表示を変更しなければならないため、経過措置期間を設けて、施行する計画という。

(木村 祐作)

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