皮膚常在菌数と肌状態に関係性

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 コーセーは6月4日、皮膚常在菌の数が多い人では少ない人に比べ、「肌が粗い」「毛穴が多い」など、肌状態と菌数の間に相関があることを確認したと発表した。

 菌数を把握する手法として、菌に共通して存在する「tuf gene」という遺伝子に対象を見出し、皮膚常在菌の数を網羅的に計測する方法を確立した。

 皮膚常在菌の数と肌状態の関係を調査するため、20歳~80歳の女性269人の頬部からテープストリッピング法により、皮膚の一部を採取。開発した計測方法で分析したところ、菌数は1平方センチメートルあたり数百個から数十万個と、多い人と少ない人で100倍以上の差があった。年齢が上がるほど、菌数が少なくなる傾向も認められた。

 菌数が多かった上位53人について、少なかった下位53人の肌状態と比較したところ、肌の粗さのスコアが大きく、毛穴が多いことが分かった。また、菌数が多い人の方が、肌の赤みが大きいことも分かった。これは常在菌やその代謝産物によって、肌の炎症が引き起こされやすいためと考えられる。皮脂量についても、菌数が多い人では数値が大きく、皮脂が常在菌の栄養源になっていることが示唆された。

 一方、角層水分量やpHといった要素は菌数との間に相関関係はなかった。これらの結果から、肌状態と皮膚常在菌との関係性を研究する上で、菌数は重要な因子の1つと考察している。

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