角層細胞の潤い状態を数値化、化粧品開発へ応用

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 花王(株)解析科学研究所・スキンケア研究所はこのほど、粘着テープで採取した肌の角層を顕微ATR-IRイメージング法を用いて解析した結果、角層細胞の潤い状態を画像として捉えることに成功したと発表した。

 さらに、角層細胞の潤い状態を数値化し、定量的に比較できるようにした。これにより、角層細胞そのものの潤い状態の経時的変化や、異なる製剤間での潤い状態の違いがわかるようになったと説明している。今後は角層細胞の潤い状態を解析する新技術として、化粧品の開発に応用する方針だ。

 肌の乾燥やカサツキは、年間を通じて直面することの多い肌悩みの1つ。そうした肌悩みを解決するために、肌の角層に潤いを与えるさまざまなスキンケア商品があるが、化粧水については「効果がわからない」といった声が聞かれていた。また、同じ商品を使っても、潤い効果の感じ方は人によって異なることから、表面的な潤いではなく、角層細胞そのものの潤いを客観的に把握できる方法が求められていた。

 これまで角層の潤い評価は、専用の電極を肌に押し当てた際の電気の通りやすさを指標としてきた。しかし、この方法では、肌に浸透せず肌表面に残っている成分の寄与も含むため、角層内部に浸透した成分のみを測定することが困難だったという。

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