消費者庁、除菌スプレーの表示で販売3社に措置命令

表示・広告規制

 次亜塩素酸水の除菌スプレーで「99.99%瞬間除菌」など事実でない効果をうたったとして、消費者庁は3月11日、販売企業3社に再発防止策などを求める措置命令を出した。

 3社は(株)マトフアー・ジャパン(兵庫県神戸市)、(株)OTOGINO(大分県日田市)、(株)遊笑(福井県福井市)。

 マトフアー・ジャパンは自社ウェブサイトで除菌スプレー『微弱酸性次亜塩素酸水 アクアトロン MATFER JAPAN』を販売する際に、「新型コロナウイルスを20秒で99.99%不活性化」と表示。OTOGINOはOX MIST』で「99.9%瞬間除菌」、遊笑も『コロバスター』の広告で「速攻除菌 99%以上の除菌力」などと表示していた。

 マトフアー・ジャパンとOTOGINOは、表示の根拠とした資料を消費者庁へ提出。消費者庁によると、「死滅しやすい菌を使った実験や10分程度の長時間の実験の資料」(表示対策課)で、表示内容と齟齬(そご)があったという。このため、表示の根拠として認められなかった。

 また、各社は「塩素濃度 50ppm」などと表示していた。しかし、消費者庁が調査した結果、「低いもので4ppm、高いものでも30ppm」(同)の濃度しかないことが判明した。

 消費者庁では、3社の表示が景表法に抵触すると判断。各社に対して、表示が景表法に違反する内容であったと一般消費者へ周知することや、再発防止策を構築することなどを命じた。

 取材でマトフアー・ジャパンは「改善に向けて検討中」とコメント。遊笑の関係者は「真摯に受け止めて対応している」と説明した。

写真:新型コロナウイルスの除去をうたった広告例

(木村 祐作)

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