花王(株)はこのほど、表皮ヒアルロン酸の産生を高めることにより、潤いとハリに満ちた表皮の形成につながることを明らかにしたと発表した。さらに、新たに開発したN-アセチルグルコサミンの誘導体が、表皮細胞によるヒアルロン酸産生を促進することを確認したとしている。
加齢に伴う変化の1つに、表皮の厚みが減少することがある。表皮の厚みの低下は真皮に比べて早い年代から始まり、ハリのなさや滑らかさの低下の要因となる。
表皮は皮膚の最も外側にある組織で、基底層で増殖した表皮細胞は有棘層・顆粒層・角層と外側に向かって移動しながら角化(成熟)していく。表皮の増殖と角化の繰り返しはターンオーバーと呼ばれ、このサイクルが正常であると健全な表皮が形成される。
一方、表皮には血管が通っていないため、重層した細胞同士の空間を維持し、細胞への栄養素の供給や細胞からの代謝産物の通り道を確保するといった役割は、ヒアルロン酸が担っていると考えられている。
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸の2種の糖が交互に結合した高分子多糖で、生体で最大の高分子ポリマー。これまで、表皮ヒアルロン酸が、表皮細胞のターンオーバーや表皮形成、また皮膚性状にどのような影響を及ぼすかはよくわかっていなかったという。
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