東京医科歯科大教授らのグループが新知見、「免疫」の機能性表示食品は大丈夫?

「食」の機能性

 東京医科歯科大学・難治疾患研究所の樗木俊聡教授らの研究グループはこのほど、「プラズマサイトイド樹状細胞は自然リンパ球である」と提起した研究結果を発表した。研究成果は学術誌「Nature Reviews Immunology」に掲載された。

 研究グループは欧米の研究者と共同で、さまざまな研究報告を分析。その結果、ほとんどのプラズマサイトイド樹状細胞は抗原提示能力に乏しく、血流を介してリンパ節に移動することが判明したという。樹状細胞の条件を満たさず、NK細胞などと同じ自然リンパ球に属すると提起している。

 消費者庁の機能性表示食品制度では、「免疫機能の維持」をうたった商品が人気だ。そのメカニズムについては、配合した機能性関与成分がプラズマサイトイド樹状細胞に働きかけるとし、販売会社のホームページでは「免疫の司令塔」と説明している。

 今回の新たな知見は、機能性表示食品で説明されてきたプラズマサイトイド樹状細胞の役割を根底から見直すものであり、今後の研究の進展によっては、「免疫」関連の機能性表示食品の動向にも影響を与えそうだ。

(木村 祐作)

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