【寄稿/第28回】多様性を誇る乳酸菌生産物質

「食」の機能性

 

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

菌株のつくり出した代謝物が機能性を発揮

 世界的な異常気象が続く中、久々のさわやかな秋晴れの日に、近くにある大型スーパーマーケットに立ち寄り店内を歩いていると、一段とはなやかな色とりどりの商品が並んだヨーグルト売り場が目に入ってきた。

 そして、驚いたことに「デザート・ヨーグルト」と「乳酸菌飲料」と別々に標記されて分別して陳列されているではないか。

 これは、乳酸菌やビフィズス菌が健康に寄与する表示ができる機能性表示食品として消費者庁に届ければ、商品に明記して売ることが可能になったためと思った。

 業界新聞社の調べによると、機能性表示食品として消費者庁に届けられた乳酸菌・ビフィズス菌の菌株は64件となっている。しかし、その健康機能は単一機能となっている。

 個別には良いものかもしれないが、総合的に健康を維持する機能までには到達しないし、何よりも本来であれば、菌株のつくり出した代謝物に機能性があると筆者は推察する次第である。

多種多様な成分「乳酸菌生産物質」

 これを解決するには当社が長年に渡り研究開発した、16種35菌株を共棲培養して、そのチームがつくり出した健康に寄与する多種多様な成分「乳酸菌生産物質」が必要になると筆者は考えている。

 多種類の菌株を相性良く協力して発酵させる技術は、長い研究期間において愛用者の方々の健康に寄与する結果もあって完成した。その多様性には、乳酸菌と共に歩み続けた59年に渡るエビデンスが存在すると考えている。

 次回は、日本食品分析センター多摩研究所で実施した16種35株の共棲培養による同定試験について説明したい。

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