機能性表示食品制度を法令化へ(中)

食品/飲料

原料の安全性確保も強化

 GMPによる製造管理の要件化も改正の注目点の1つ。2年間の経過措置期間を設けて、2026年9月1日から完全施行となる。対象はサプリメント形状の機能性表示食品。GMP基準は告示で定める。

 改正後、GMPによる製造管理を行うのは製造工場だが、届出者は製造工場でGMPによる管理が行われていることを確認しなければならない。これは届出者の順守事項と位置づけられ、届出時の記載をはじめ、年に1度の更新時にも確認しなければならない。順守されない場合、消費者庁は食品表示法に基づく指示・命令が可能となる。つまり、届出者は機能性表示食品として販売できなくなる。

 義務化となることから、行政が自ら、GMPによって管理されていることを確認するために、製造工場に対して立ち入り検査を行う。本来ならば保健所が実施するはずだが、健康食品GMPに馴染みがないことから、当面は消費者庁が対応する。

 当面は啓発を目的としたソフト路線の立ち入り検査となりそうだが、将来的には監視指導を目的としたものになるとみられている。

 また、業界内で誤解が生じているようだが、民間団体による健康食品のGMP認証サービスは、今回のGMPの要件化とは関係しない。GMP認証を取得するかどうかは、各事業者の任意となる。

 原料の安全性確保も強化する。GMPの要件化は、最終製品の工場が対象となり、原料の工場は対象外。しかし、最終製品の工場ではGMPへの対応により、原料の受け入れ段階で原料をチェックすることが求められる。

 さらに、通知「錠剤、カプセル剤等食品の原材料の安全性に関する自主点検及び製品設計に関する指針」を告示に移行することで、原料の安全性確保を強化する。

研究レビューの表示方法に注意

 容器包装の表示方法の見直しは2024年9月1日に施行され、2年間の経過措置期間を置き、26年9月1日から完全施行となる。

 特に注意しなければならないのは、機能性を研究レビューによって評価した場合、届出表示の一部を切り取る表示方法が禁止されることだ。「コレステロールを下げる」「内臓脂肪を減らす」といった表現はNGとなる。改正後、そうした表示は禁止される。「本品には〇〇(成分名)が含まれます。〇〇には△△(機能性)ことが報告されています」と表示しなければならない。

 一般消費者が機能性表示食品であることを認識しやすくするため、「機能性表示食品」の文字を容器包装の主要面の上部に、線で囲んで目立つように表示することも必須となる。そのすぐ近くに「届出番号」を表示することも求められる。これによって、トクホと違うことを明確化する。

 「摂取をする上での注意事項」の表示にも注意が必要だ。従来と比べ、医薬品や他成分との相互作用などについて、より詳しく表示することが求められる。

(つづく)

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