更新制がスタート
2025年4月1日からは、「安全性と機能性の根拠に関する事項」、「順守状況の自己点検・評価と報告」、「届出日以降の科学的知見の充実」などが施行される。どの施策も、届出者にとっては重要なものとなる。
安全性・機能性の根拠については、届出後に機能性関与成分に関する新たな知見が得られた場合、遅滞なく消費者庁へ報告することが要件化される。これは届出者の順守事項の1つに位置づけられている。
いわゆる更新制である順守状況の自己点検・評価と報告は、(1)安全性と機能性の新たな知見の報告、(2)GMPによる製造管理、(3)健康被害情報の収集・報告などの順守状況が対象。届出者が自己点検と評価を行い、その結果を消費者庁へ報告する。届出者には年1回報告する義務があり、これを怠ると、機能性表示食品として販売することができなくなる。更新制の導入により、消費者庁のウエブサイトには最新動向のみが掲載されることになりそうだ。
新規の機能性関与成分への対応
小林製薬の問題では、紅麹原料が健康被害の原因になった疑いが持たれている。機能性関与成分の米紅麹由来ポリケチドは、それまで届出実績がなかった新規の成分だった。そうした事情も踏まえ、今回の改正により、新規の機能性関与成分への対応も新たな施策として盛り込まれた。
来年4月1日から、届出実績のない新たな機能性関与成分については、消費者庁で慎重に安全性を確認する方針だ。このため、専門家の意見を聞く仕組みを導入し、摂取上の注意点などについてアドバイスをもらう。そうした対応には時間を要することから、従来の販売60日前の届出を販売120日前とする特例を設ける。
届出日以降の科学的知見の充実については、届出後に新たな知見が蓄積した結果、機能性表示が適切でないと消費者庁長官が判断した場合、機能性表示食品の要件を満たさないものとなり、機能性をうたえなくなる。特に健康被害のリスクに関する新たな知見が報告された場合に、迅速な対応が取れるかどうか注目されそうだ。
(了)
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