(株)光英科学研究所 代表取締役会長
村田 公英 氏
正垣一義氏、2度にわたり国会で講演
今回は、体の中にある腸内発酵タンクでつくられた乳酸菌生産物質と、体の外の工場で製造した乳酸菌生産物質の相互関係についての話と、先代の所長、正垣一義氏が大谷光瑞農芸化学研究所時代に2度にわたって国会で行った講演について説明する。

まず、乳酸菌生産物質は元々私たちの腸内タンクで健康維持のために毎日つくり出されているが、腸内環境の諸々の変化により必ずしも効率的に体に吸収されているとは限らない。
そのため、あえて体の外の工場で乳酸菌生産物質を製造してそれを摂取すれば、体の求めている量の補足ができて、健康の維持増進ができて健康長寿が全うできるということになる。
この乳酸菌生産物質の発明については、第二次世界大戦終戦の前年に、中国大連にあった大谷光瑞農芸化学研究所において、正垣一義次長が16種の有効細菌の共棲培養による代謝産物の製法を完成した。
日本は大戦に敗戦してまだ4年だったので、国民が思想に迷っており、健康上からみても体質の低下がみられているので、政府として正垣一義氏に講演をお願いしたと、当時の内閣委員長鈴木明良氏が司会として述べている。
講演は昭和24年11月4日と昭和25年1月25日の2回にわたり「長寿論と有効細菌」と題して行われ、文部大臣、厚生大臣から賞詞を受領している。
腸内の「異常発酵」について説明

国会図書館に所蔵されている議会講演速記録を見ると、当時はまだなかった「腸内環境」の言葉の代わりに腸内の「異常発酵」についての説明、乳酸菌そのものでは改善力がないために、16種の有効細菌で5段階の発酵を共棲培養で行い、分泌物質を得ることに成功した方法について、乳酸菌の名称を具体的に明記してメカニズムを開示して説明されている。
75年経過した現在においてみて、乳酸菌共棲培養による分泌物(乳酸菌生産物質)の製造技術における正確さについて驚くばかりである。
講演の終わりに児童方面にこれを応用して国民がりっぱな体質をつくり、大谷光瑞師の予言通り30年後に世界随一の文化国になるために国会議員の皆様におかれては1日も早くこれを国家的に普及して、国民の体質の向上に資していただくことを希望します――と締められている。
第53回/第54回

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