機能性表示食品制度、事前確認を本格化

「食」の機能性
記者会見する伊藤長官(3月2日)

 消費者庁は、関係団体などによる機能性表示食品の「届出」の事前確認体制を構築し、2022年度中をメドに運用を開始する。消費者庁の伊藤明子長官が3月2日の定例記者会で明らかにした。

 現在、消費者庁は届出資料に不備がないことを確認し、「50日」以内に公表している。しかし、届出件数の大幅な増加を受けて、遅滞なく公表するためには外部の協力が必要になりつつあるという。

 事前確認体制は、複数の関係団体などによる実施を想定している。「公平性・公正性」「信頼性・専門性」「継続性」「制度発展への寄与」を担保できる仕組みを設ける考えだ。

 対象とする届出は、公表実績のある機能性表示食品の範囲に限定する。新たなヘルスクレームや新規成分などによる届出については、従来どおり消費者庁で確認する。

 事前確認体制を活用した届出については、消費者庁での確認期間「0日」を目指す。ただし、届出の公表・管理は消費者庁が引き続き行う。

 消費者庁は今夏をメドに、事前確認の手順書や、公平性・公正性などを担保できる仕組みを取りまとめる。

 具体的な仕組みを検討するため、「機能性表示食品の届出事前確認に関する連絡協議会」を設置し、関係団体と意見交換するという。3月7日に初会合を開く。

 参加団体は(公財)日本健康・栄養食品協会、(公社)日本通信販売協会、(特非)日本抗加齢協会、(一社)健康食品産業協議会。

 現在、2団体で試行的に事前確認を行っているが、活用件数が伸びずにいる。伊藤長官は「今は何をどうチェックするかという手順があるわけではない」とし、「今のやり方では(活用件数が)増える状況にないと思っている」との見解を示した。

(木村 祐作)

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