大麻や大麻由来製品の規制のあり方を検討している厚生労働省の大麻規制検討小委員会は6月29日、「大麻草の部位による規制」から「成分に着目した規制」への転換を柱とする新たな対策の方向性を取りまとめた。医薬品医療機器制度部会の了承などの手続きを経て、厚労省は来春の通常国会へ大麻取締法などの改正案を提出する。
大麻取締法では大麻草の葉や花穂などの使用を禁止しているが、種子と成熟した茎は規制の対象外となっている。一方、大麻による有害作用は「THC(テトラヒドロカンナビノール)」が原因となることを踏まえ、同小委員会は「成分に着目した規制を導入し、規制体系の基本とする方向で検討を進めるべき」と提言した。
大麻由来医薬品の使用を可能とする方針も示した。海外では難治性てんかん治療薬として承認されていて、国際的な歩調を合わせる観点から、製造・流通などの免許制度の導入を求めた。
大麻由来のCBD(カンナビジオール)を配合したサプリメントが海外から輸入されているが、THCが検出される事例も多い。そうした状況と、成分に着目した規制への転換を踏まえて、CBD製品にTHCの残留限度値を設定するように提言した。
これと合わせて、残留限度値を超えた製品が野放しにならないように、買い上げ調査を含む監視指導も必要としている。
出席した委員からは、CBDの安全性に対して疑問の声が相次いだ。
「CBDの作用メカニズムは明確ではなく、CBDは安全という論調でいいのか不安が残る」、「CBDは使用量や長期使用について安全性が担保されていない」などの意見が寄せられた。
(木村 祐作)
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