京都大学大学院と東京農工大学大学院の研究グループは1月17 日、マウス実験により、漬物やキムチなどの発酵食品の生産に用いる乳酸菌(Leuconostoc mesenteroides)が産生する菌体外多糖 EPSを摂取することにより、腸内環境が変化し、主要な腸内細菌代謝物である短鎖脂肪酸の産生量を増加させることで肥満を防ぐことを明らかにしたと発表した。
研究チームは、EPSが食物繊維様物質として、プレバイオティクス効果を発揮することを発見したと報告。これは、プロバイオティクス乳酸菌として知られていた「L. mesenteroides」が、その摂取によりプロバイオティクス効果だけでなく、EPSを介したプレバイオティクス効果も同時に発揮するシンバイオティクス乳酸菌として働くことが期待できることを意味する。
腸内環境を制御する食習慣や腸内細菌の代謝産物が、肥満・糖尿病などの代謝性疾患に対する新たな標的として注目されるなか、ポストバイオティクス成分のEPSやシンバイオティクス乳酸菌「L. mesenteroides」は、様々な分野で応用が可能となるとしている。
研究成果は5日、イギリスの国際学術誌「Gut Microbes」にオンライン掲載された。
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