腸内細菌の1種が持久運動のパフォーマンスを向上

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 慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任教授、アサヒクオリティーアンドイノベーションズの研究員らの研究グループはこのほど、共同研究により、ヒトの腸内細菌の1種である Bacteroides uniformis(バクテロイデス ユニフォルミス)が持久運動パフォーマンスを向上させることを明らかにしたと発表した。

 この腸内細菌が栄養源として利用しやすい環状オリゴ糖である「α-シクロデキストリン」を摂取することで、ヒトの持久運動パフォーマンスも向上できることを確認した。

 研究成果は、自然科学研究分野のオンライン学術誌「Science Advances」(1月25日付)に掲載された。

 腸内フローラはヒトの健康に大きな影響を及ぼすが、運動能力との関連性は明らかにされていなかった。今回の研究では、青山学院大学陸上競技部に所属する長距離ランナーの腸内フローラを調べた。ランナーの腸内には「B. uniformis」と呼ばれる腸内細菌が多く、その菌数は走行タイムと関連することを発見したという。

 この腸内細菌を増やす効果がある「α-シクロデキストリン」を成人男性が8週間摂取したところ、エクササイズバイクで10kmを漕ぐために必要な時間が短縮し、運動後の疲労感も軽減できることがわかったと報告している。

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