【寄稿/第21回】乳酸菌生産物質の「礎」となる16種35株の立証

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

2年2カ月をかけて同定試験を完了

 今回は、乳酸菌生産物質の製造に使用している乳酸菌とビフィズス菌の同定について説明する。

 長い年月をかけて多くの乳酸菌、ビフィズス菌の共棲培養の研究を行い、多種類の菌の共棲したチームを100チーム以上つくり上げてきたが、個々の菌の菌株を確定する「同定」という検証が必要であると考えていた。

 そこで、第三者機関で世界的に権威のある(一財)日本食品分析センターで同定の実施を考えた。全ての菌株の同定を行うと数千万~億単位の費用がかかる可能性があり、躊躇していたが、やっと予算の見通しがついた2003年2月から着手することができた。

 もう20年も前のことである。

 この同定試験は2年2カ月をかけて完了し、数種の共棲菌株から構成された100本以上の試験管の内訳が判明した。その結果を踏まえて、乳酸菌、ビフィズス菌16種35株を中心とした菌の編成を確定できた。

 同定を依頼した日本食品分析センター多摩研究所とは、詳細なところまで相談しながらの作業だったので、長期間にわたり大変お世話になった。

 費用も当初想定していた半額で済んだ。

現在は遺伝子解析によって同定

 そして昨年も、現行の菌株の同定を日本食品分析センター多摩研究所で実施したが、近年は遺伝子解析による同定になっているため、試験のスピードも速くなり、費用も経済的になっている。

 しかし、16種35株の確定のためには、以前の同定作業による、全菌株の性状の確定があったからこそ完成したわけであるから、現在の同定手法だけでは確立できなかったかもしれないと考えると、当時、思い切って同定作業をしてよかったと思っている。

 これも、世界の人々の健康に貢献するという信念があってこそできたものと思う。16種35株というレジェンドが確立できたことに、心より感謝する今日この頃である。

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