<コラム> 景表法違反の機能性表示食品が販売中?

「食」の機能性

 さくらフォレストの機能性表示食品が景品表示法違反に問われた事件をきっかけに、同様の疑いがある88商品について、届出撤回が求められた。これまでに88商品すべてで撤回の申し出があったものの、11月30日現在で撤回届出が提出済みなのは45商品にとどまっている。

 消費者庁のホームページには、「撤回の申出があった商品については、撤回届出が行われるまで、販売されることがあり得ます」との説明がある。ということは、事件から5カ月以上経った今もなお販売されている商品が存在する可能性を意味している。

 制度の立て付けを考えると、今回のケースについては、強制的に届出を撤回させることは困難な面もある。だとすれば、消費者利益を守るためには、景表法による指導や処分を迅速に行うことが重要となる。

 機能性表示食品についても消費者を著しく誤認させる表示を行った場合には、当然ながら、景表法による取り締まりが必要となる。この点について異論を挟む余地はないはずだが、業界側や健康食品の業界紙では、「ダブルスタンダードだ」などトンチンカンな話が飛び交っている。不思議の国に迷い込んだのだろうか?

インチキな機能性表示食品を買わされるという消費者被害を防ぐことが優先事項であり、景表法の下では、一般的なサプリメントも、加工食品も、機能性表示食品も同じ扱いとなる。

このため、消費者庁の景表法を所管する部隊には、疑義が持たれた88商品のうち現在も販売中のものがあるかどうかを調べ、行政指導や行政処分を科すことが求められそうだ。

【木村 祐作】

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