東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野の村上健太郎教授らの研究グループは2月15日、20〜79歳の日本人5998人を対象としたオンライン調査を行い、日本人が幅広いメディアから栄養や食事に関する情報を得ていることを明らかにしたと発表した。
研究は2023年2~3月にオンライン調査に参加した20~79歳の日本人の成人5998人を対象に実施した。
その結果、栄養や食事の情報を得るために、最も多くの人が使用していた情報源はテレビ(32.9%)だった。次いでウェブ検索(22.2%)、特定のウェブサイト(政府や医療メーカーなど:16.6%)、新聞(15.0%)、本や雑誌(11.6%)、動画サイト(YouTubeなど:10.6%)が続いた。
これらのうち10%以上の人に使用されていた6つの情報源について、多変量ロジスティック回帰分析という手法を用いて、関連する特性を調べた。その結果、どの情報源とも一貫した関連を示したのはヘルスリテラシーのみで、ヘルスリテラシーが高いほど、個々の情報源すべてで利用する確率が高いことがわかった。
一方、フードリテラシーと情報源との関連は、情報源によってさまざまであり、テレビの利用はフードリテラシーが低いことと関連していた一方、特定のウェブサイト、本や雑誌、動画サイトの利用はフードリテラシーが高いことと関連していた。食事内容の質が高いことは、新聞、本や雑誌の利用と関連していた。
女性ではテレビと本・雑誌の利用と関連し、男性では特定のウェブサイト、新聞、動画サイトの利用と関連していた。また、年齢は新聞の利用と正の関連があり、特定のウェブサイトや動画サイトの利用とは負の関連が見られた。
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