花王(株)生物科学研究所は2月19日、皮脂中に含まれるRNA(皮脂RNA)の発現情報を類似度で分類し、皮膚機能にとって重要な遺伝子のRNA発現量が異なる2つの肌タイプが存在することを確認したと発表した。
皮脂RNA発現情報の類似度によってクラスタ分類を行った結果、「免疫」「角化」などの皮膚の機能に重要な遺伝子の発現を特徴とする少なくとも2つの肌タイプの存在を確認した。
さらに、肌タイプは年齢や主観的な肌質(乾燥肌・脂性肌など)と関連しない独立した分類であることも見いだした。
皮脂RNAモニタリング技術を活用した分類は、生体分子情報に基づいて肌を客観的に理解する“肌の分類指標”として利用できる可能性があると指摘している。
引き続き、分類軸に関する知見を深め、RNA発現情報に基づく肌タイプ分類を広く活用することで、美容分野の新たな体験価値の創出を目指す方針という。
花王は、2019 年に皮脂中にRNAが存在することを発見し、油取りフィルムで肌を傷つけることなく、顔の皮脂を採取し、RNAを抽出して網羅的に解析する「皮脂RNAモニタリング」技術を開発。
2022年春からアイスタイルと共同で、皮脂RNAの発現情報が似ている人をグルーピングし、好まれる化粧品の傾向を探るという検討を開始した。この取り組みでは、RNAをもとにした肌タイプという客観的指標を用いることで、自分の肌に合う化粧品を効率的に選択し、最適なスキンケアへと結びつけることを目指している。
コメント