【寄稿/第44回】乳酸菌生産物質の製造の特徴①「16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌」

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長
村田 公英 氏

菌株が35株に及ぶことに驚く

 前回は「乳酸菌生産物質のエビデンスとは」をテーマに、学術的な成り立ちについて話したが、今回から何回かに分けて、乳酸菌生産物質の製造について、その特徴的な事柄を中心に話を進めていく。

 まず大きな特徴は、乳酸菌生産物質の製造のスターターとして使用している乳酸菌・ビフィズス菌である。

 これは長い年月をかけて相性の良いもの同士を組み合わせ、継代培養を行ってきたもので、(一財)日本食品分析センターで同定を行い、分類学上の学名を確認している。

 実はこの同定試験は、当社から提出した検体が多数に及んだこともあり、2003年2月から2005年4月までという2年余りの長い期間がかかった。現在でこそ、同定試験は遺伝子レベルで行うことが主となり、短期間で結果が出るようになっているが、その当時は1つひとつの菌株を分離し、それぞれの性状を確かめる必要があった。

 結果、当社の乳酸菌生産物質のスターターを構成している菌が「16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌」であることが確定したのである。

 私は長年の研究において、乳酸菌・ビフィズス菌で16のグループを形成する方法を用いて、乳酸菌生産物質のスターターを完成させた。このため、同定試験において16種類の菌種が判明したのは想定内だったが、菌株が35株に及ぶことに驚いた。

16種35株の「チームKOEI」

 おそらく、乳酸菌・ビフィズス菌の相性の良い菌同士を組み合わせる研究過程において、菌の株のレベルで性状の一部が変化した結果、35株という結果になったものと推察している。その変化は、菌同士がお互いに共存するために起こった現象だと思われる。人間においても言えることだが、他者とグループを組もうという時、いきなり相性がピッタリで上手く動き出すことはあまりない。時間をかけてお互いに話し合いをしたり、自分を変える工夫をしたりすることで、グループとしての成果を出すことができる。

 菌も同じで、栄養物や培養の環境を変化させながら時間をかけて培養を繰り返していくことが必要である。その結果、菌同士が工夫してお互いが必要とするようになる。

 同定試験で16種35株の乳酸菌生産物質のスターターが確定し、私は乳酸菌生産物質の未来への発展が約束されたと確信するようになった。1つの菌だけではなく、複数の菌がグループとしてお互いが共存するからこそ得られるものが大きいのである。私は、今では16種35株の「チームKOEI」と愛称している。

 乳酸菌生産物質の素晴らしさを感じたときは、「チームKOEI」にエールを送ってほしい。次回は製造に使用する菌の栄養物(エサ)について話をする。

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