農研機構と日清製粉グループ本社は3月6日、小麦ブラン(ふすま)に免疫応答に働きかける「アルキルレゾルシノール」という物質が含まれていることを見いだしたと発表した。アルキルレゾルシノールが免疫系に働きかけている可能性が示唆されたとしている。
農研機構では、さまざまな食品素材の免疫機能への効果を評価するなかで、小麦ブランの摂取により、抗体のIgAの量が維持される作用の仕組みと、それに関与する成分を明らかにすることを目的に、共同研究を実施。さらに、分光分析法である蛍光指紋を拡張したS-EEM法の導入により、成分同定の迅速化を目指した。
IgA量は抗体そのものの産生量、産生された抗体の腸管内への運び屋となる分子pIgR5の量の異なる仕組みによって制御される。今回、培養細胞試験によって、小麦ブランに抗体産生細胞の活性化に関わるサイトカインBAFFと、運び屋分子のpIgRのそれぞれの増加を促す異なる成分が含まれていることと、BAFFの産生を促す成分がアルキルレゾルシノールであることを確認したと報告している。
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