【寄稿/第48回】乳酸菌生産物質の製造の特徴⑤ 大量共棲培養のスターター

寄稿・ブログ

(株)光英科学研究所 代表取締役会長

村田 公英 氏

スターターは16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌

 今回は、当社の本社工場内に設置している大型発酵タンクで乳酸菌生産物質製造のスターターである16種35株の乳酸菌・ビフィズス菌(筆者は親しみを込めて、これらの菌グループを「チームKOEI」と呼んでいる)の活動について述べる。

 当社の乳酸菌生産物質の製造は、2トンの大型発酵タンクに菌群のエサとなる特別な豆乳培地を(500mlペットボトル4,000本分)満たし、そこへ16種35株の「チームKOEI」を添加することから始まる。

 一般的に販売されている乳酸菌サプリメントは、単一の乳酸菌について、いかに菌数を増やすかというところを焦点として製造されているが、当社の乳酸菌生産物質は違う。

 多種の菌株を共棲状態で培養し、多種多様の代謝産物を得ることを目的に発酵を行っている。これには長年の研究で培った高度な発酵技術が必要となる。

 製造に用いている16種35株の菌株「チームKOEI」自体、相性良く発酵する編成になっているが、直径1.5mの円筒形の発酵タンクの中で発酵が完了する120時間の間に、16種35株の菌株が代謝産物を十分につくり出すように、菌たちを共棲培養状態で働かせる技術が求められる。

今年8月、2トンの発酵タンクを増設予定

 ひと株ひと株の菌株がつくり出す代謝物はさることながら、菌株同士の共棲によって発酵前には存在していなかった新たな物質をつくり出していることも、メタボローム解析の結果から報告されている。

 当社の乳酸菌生産物質は、長い年月に渡る研究と製造開発技術の向上からその品質の良さが認められ、おかげさまで受注が多くなり、これに対応するために今年8月に2トンの発酵タンクを増設する予定である。

 これからも高い品質を維持することを一番大切にしながら、乳酸菌生産物質を提供していくつもりである。

第47回/第48回

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