「指定成分」含有食品の健康被害、2021年は190件

「食」の安全性

 健康被害が出やすい「指定成分」の含有食品について、厚生労働省が1月17日に公表した資料によると、2021年に報告された健康被害情報は合計190件に上った。

 指定成分制度は、安全性対策で特に注意が必要な成分を国が指定し、製造業者や販売業者に健康被害情報の報告を義務づけ、医療機関については努力義務としている。

 現時点では、指定成分として「コレウス・フォルスコリー」「プエラリア・ミリフィカ」「ブラックコホシュ」「ドオウレン」の4成分がある。

 21年に報告された健康被害情報は「コレウス・フォルスコリー」が121件、「ブラックコホシュ」が49件、「プエラリア・ミリフィカ」が14件など。症状は「コレウス・フォルスコリー」「ブラックコホシュ」が下痢、かゆみ・発疹、胃痛などで、「プエラリア・ミリフィカ」では不正性器出血や月経不順なども報告された。

 制度が施行(2020年6月)された20年には、6~12月の7カ月間で198件の健康被害情報が報告された。21年は前年のペースを大幅に下回り、減少傾向を示した。

 厚労省新開発食品保健対策室では「施行を機に販売中止となったサプリメント製品があるなど、件数は少しずつ減っている」と説明。事業者からの報告がほとんどで、医療機関からの報告は「数件程度」としている。

(木村 祐作)

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