JAROセミナー、「免疫」表現の留意点を解説

表示・広告規制

 (公社)日本広告審査機構(JARO)は3月18日、オンラインで広告研究セミナーを開催した。消費者庁表示対策課ヘルスケア表示指導室の田中誠室長が、健康食品の表示・広告の留意点について直近のトピックスを交えながら解説した。

 コロナ禍を背景に、「新型コロナウイルスへの効果」や「免疫機能」を標ぼうした広告が増加している。これに対し、田中室長は「新型コロナウイルスは限られた研究機関でしか扱うことができない。健康食品ではヒト試験ができないため、コロナに効くと言った時点で客観性・合理性を欠く」とし、業界関係者に注意を促した。また、「『免疫力が高まる』という表示があるが、専門家によると、『免疫力』は『女子力』と同じようにそれを示す指標がなく、非科学用語として整理されている」との見解を示した。

 がん専門医が登場する広告の考え方についても言及。「がん」の文字が入った医師の肩書を表示する場合は、「何を紹介し、何を語り、どの商品に対してどう配置されているのかが問題。免疫系の商品で登場した場合は、そういったこと(免疫力向上によるがんへの効果)を消費者は期待してしまうので、個別に判断することになる」と説明した。

【木村 祐作】

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