消費者庁は昨年11~12月、「通信販売の申し込み段階における表示についてのガイドライン(案)」のパブリックコメントの募集を実施した。これまでに公表された消費者団体や業界団体の意見を見てみる。
改正特定商取引法(6月施行予定)は、詐欺的な定期購入商法を排除するため、申し込み最終段階で「分量」「代金」などの表示を義務化。ネット通販の申し込み最終確認画面と、カタログ通販などの申し込み書面が対象となる。表示事項は、「分量」「販売価格」「支払の時期・方法」「引き渡しの時期」などの6項目としている。
まず消費者団体の意見から見ていく。
消費者被害防止ネットワーク東海は、有利な条件を示す「強調表示」と、例外規定を示す「打ち消し表示」を一体的に表示するように要望。分離して表示した場合は、改正特商法に違反する旨をガイドラインに明記すべきとしている。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会は、解約手続きについて「商品到着後、○日以内であれば返品可能」の文言を盛り込むように要望。リンク先に移行する場合には、8ポイント以上の赤字で注意書きを表示するなどのルール化を提言している。
全国消費生活相談員協会は申し込み最終確認画面について、(1)窓枠を設けて、窓枠内を何度もスクロールしなければ契約内容や解約条件が表示されないケース、(2)消費者が申し込み手続きのために個人情報を入力し、最終確認画面に進んだ段階で別の高額なコースの広告を表示するケース――なども法違反になることを明確化するように求めた。
これに対し、業界団体からは健全な事業者の負担増を懸念する意見が寄せられた。日本経済団体連合会はネット通販システムの改修が必要となるため、ガイドラインが施行されるまでの期間を十分に確保することなどを要請。
日本通信販売協会も「健全な事業者への対応コストを可能な限り軽減」するように要望している。
(木村 祐作)
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