コーセーは11月20日、コペンハーゲン商科大学経営・社会・コミュニケーション学部の加納史子准教授との共同研究により、美容価値観を5つの要素で測定できる世界共通の心理指標を開発したと発表した。
この指標を用いることで、1人ひとりが持つ美容価値観を17タイプに分類することが可能となり、消費者に寄り添った商品・サービスの開発につながるとしている。
研究グループは、美容価値観を測る心理指標を開発するため、デンマークに住む欧州9カ国多国籍の男女13人を対象に、美しさに対するインタビューを実施し、美容価値観の構成要素を洗い出した。次に、美容価値観として測定するための設問を作成。イギリスで調査を繰り返すことで、設問と指標の妥当性を検証し、その後、イギリス・アメリカ・デンマーク・日本でも妥当な設問と指標になっていることを確認した。
最終的に14の設問で構成される美容価値観調査票を開発するとともに、美しさの動機について社会調和性・他者優越性・自己研鑽性・内面性・個性尊重性の5要素からなる円環モデルで表せることを提案した。
開発した美容価値観調査票を用いて、世界8カ国(日本・アメリカ・イギリス・デンマーク・フランス・ドイツ・中国・台湾)の15~84歳の男女1万2,712人を対象に、ウェブアンケート調査を行った。
その結果、各国ともに内面性が高く重視される一方、その他の構成要素の重要度に違いが見られた。アメリカ・フランスは個性尊重性と自己研鑽性、中国・台湾は全ての構成要素を強く重視していた。ドイツは若年男性層の回答が多かったものの、中国・台湾と同様の傾向を示した。イギリス・デンマークでは個性尊重性を重要視していた。日本ではすべての重要度が低く、他国と比べて社会調和性が優位であることが示唆された。
さらに、5つの美容価値観の違いから、個人ごとに価値観のパターンを分類することで、17タイプに区分。これらの個人のパターンを国ごとにタグ付けしてマッピングすることで、国ごとの美容価値観タイプの分布傾向を可視化できたと報告している。
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