国立がん研究センターが7月2日発表したコホート研究の結果によると、間質のビタミンD受容体発現量が高い大腸がんで、ビタミンD低摂取のグループに比べ、高摂取のグループでは罹患リスクの低下が観察された。
調査は1990年に秋田県横手と沖縄県中部に在住していた40~59歳のうち、ベースライン、5年後または10年後のアンケートに回答した男女約2万人を対象に実施。2014年まで追跡し、ビタミンDの食事摂取と大腸がん罹患リスクとの関連を調べた。
その結果、ビタミンD摂取と全大腸がん、がん細胞中のビタミンD受容体発現量に基づいた大腸がんサブタイプとの関連は認められなかった。
一方、間質のビタミンD受容体発現量が高い大腸がんで、ビタミンD低摂取のグループに比べて、高摂取のグループで罹患リスク低下が観察された。これに対し、間質のビタミンD受容体発現量が低い大腸がんでは、関連は見られなかった。
間質のビタミンD受容体発現量により、ビタミンD摂取の大腸がんに対する効果が異なることが示唆されたと報告している。
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